美術展レビュー:線と言葉・楠本まきの仕事展
先週の土曜、健康診断のため都内に行き、夕方まで時間があったので弥生美術館@根津の楠本まき展にいってきた。
弥生美術館は東大の裏にある美術館で漫画、イラスト系の展覧会が多い。
常設展は竹久夢二で、日本のポップカルチャーをみる美術館である。
私自身は、世代ではないのであまり存じ上げないが、「赤白つるばみ 裏」が周囲のフェミニストの間で評判で読んでみようと間違えて赤白つるばみ単体を買って読んでいる、ぐらいのライト層である。
ゴシック、耽美、退廃、観念的な世界観とアートワークの緻密さに驚いた。
漫画家の原画展でエッチングが何点も展示されるのは珍しいのでは、と感じる。
また、セリフの配置のミリ単位での修正指示や装丁のデザイン指示など職人的だった。
矢沢あいやCLAMPが好きな人と相性が良さそうな、絵として完成されてる強さがあり、美大出身者かと思ったが経歴をみるとお茶の水女子大の哲学科中退らしい。
たしかに作品の中の言葉選びが抽象度が高くて観念的だと感じたのでそのエッセンスは感じる。
こんな人が週刊マーガレットで連載してるなんて、なんて時代だったんだろうと思う。
楠本まき展は弥生美術館で2022年12月25日まで。